宝塚歌劇月組公演 レビュー・エキゾチカ『クルンテープ』天使の都を観ました。
お芝居は、吉川英治原作「宮本武蔵」より、グランステージ
『夢現無双』(むげんむそう)でした。
『クルンテープ』とは、タイの首都バンコクの正式名称、
「クルンテープマナーナコーン アモーンラタナコーシン マヒンタラーユッタヤー マハーディロッポップ ノッパラットラーチャタニーブリーロム ウドムラーチャニウェートマハーサターン アモーンビマーンアワターンサティッ サッカタッティヤウイサムカムプラシッ」と、世界一長い名前で、略して『クルンテープ』
「天人の都 大いなる都 エメラルド仏陀が安置され誰にも攻め落とすことのできない都 美しく堅固で繁栄する場所 心地よく、貴重な9つの宝を持つ豊かな都 いくつもの巨大な宮殿がある都 神が権化した王の住まい インドラ神が建築の神ヴィシュカルマに造らせた都」という意味だそうです。(パンフレットより)
私もタイは大好きな国です。
タイ、バンコクが舞台と聞いて、とっても楽しみにしていました。
タイは、「微笑みの国」と言われていますが、まさに珠城りょうさんにぴったりのショーでした。
珠城りょうさんは、初めのころは、早くからトップになってしまったせいか、
頼りなさがありました。最近は、ゆったりとした優しさと包容力があって、
熱いものが芯から伝わってきます。わくわく期待感が増して、楽しみです。
声がとても良くて、まさしく「タイの王様」でした。
今回、お披露目、新トップコンビ 珠城りょうさん、美園さくらさん。
美園さくらさんは、『雨に唄えば』で既に珠樹りょうさんと美弥るりかさんとの3人の
共演を観ていたので、違和感なく観ることができました。歌も踊りも良かったです。
宝塚音楽学校での成績もトップだったということで、劇団に入ってからも、
常に新人公演では、娘役トップ(愛希れいかさん)の役を演じています。
2015年『1789-バスチーユの恋人たち』の新人公演で
マリー・アントワネットを演じた時の、美しい歌声は忘れられません。
トップになるのは、実力ももちろんですが、トップさんの退団の時の
タイミング、運を持っているかは、とても大きいと思います。
愛希れいかさんの退団公演『エリザベート』で、新人公演でタイトロール
(映画・演劇で主人公の名が題名となっている作品の主役)を演じてしまうところ
もさすがと思います。新人公演は、7年目までなので、もっと年齢が上だったら
できなかったことなのです。まさにタイミング、運ですね。
お化粧がもっと上手くなってほしいという、まわりからの意見は、あるようですが、
丸顔で、黒い瞳をもった綺麗な方なので、これからも、努力なさって、
どんどん洗練されていくことでしょう。
楽しみです。
今回で退団なさる美弥るりかさんのショーは、美しく、別格!!周りからは、涙とため息が・・・
男役の群舞のシーンは、ANJU先生が振り付けです。最高のかっこよさを知った方だからこそできるのだと思います。花組に入らしたときから安寿ミラさん大好きでした。
美弥るりかさんがトップスターかと思ってしまうほど、たくさんの魅せる場面があって、宝塚に愛されていらっしゃるのだと思いました。
急上昇、今後のご活躍が益々楽しみな月城かなとさん。
月城かなとさんは、なんといっても、色気がありますね。背中で演技ができてしまう男役さんです。お芝居にも味が出てきたような一皮むけたって感じがします。ついつい目が行ってしまいます。
暁 千星さんの女役、いつも可愛いです。
入団した時から、役がついていて、『THE MERRY WIDOW』で、上手に踊っていたのがずっと印象に残っています。今は、どんどん成長して、いらして、月組には必要な人で、常に華やか、明るさとパワーを感じます。お顔が丸いので、がっちりして見えますがそこがまた愛らしくて良いですね。今回も色っぽい女役をなさっていて、ひときわ目立っていました。
コメント